年末年始に話題になるものの１つは
「お金」です。

宝くじもそうですよね。
コンビニの雑誌棚や書店にいけば、
「投資」「相続」「節約」という
見出しがならんでいます。

2022年4月には高校の教科書には
「資産形成」のテーマも登場します。

「どうすれば資産を減らさないですむか」
「将来のお金の心配をしないですむか」

そこで「投資」が気になる方も多いでしょう。
もちろん私はその道の専門家ではありません。

ただ「投資」とは、今ここにない未来に
かける行為です。

そのため実際の富裕層が
今何に投資をしているかを
知ることで、未来の一端を
感じることができるでしょう。

1.  富裕層が現金・株式・不動産以外に投資しているもの

投資相場の世界にはこんな言葉があります。
「卵は一つのカゴに盛るな」

リスクを回避のため、資産は分けて
運用しようというものです。

これは富裕層も同じです。
「現金」・「株式」・「不動産」に分けて
運用をしています。

そして現在はここにあるものが
加わっています。

それが、「アート」です。

たとえば宇宙ステーション滞在で
話題になった前澤友作氏も2017年5月、
ジャン＝ミッシェル・バスキアの『Untitled』を
1億1048万7500ドル（約123億円）で落札しています。

とはいえこんな声もあるでしょう。

「アートは難しい」
「アートに投資するなんてリスクは高い」
「結局作品の判断は人それぞれでしょう」

もちろんその通りです。

ただなぜ富裕層がアートに賭ける
ようになったのかを考えることは
とても価値のあることです。

1つの歴史をみてみましょう。

2. 絵画が滅びようとした瞬間

「今日を限りに絵画は死んだ」

19世紀のある日、
画家ポール・ドラローシュは
つぶやきました。

写実的な歴史画で名をはせた彼は、
【あるもの】を見てしまったのです。

それが、「写真」です。

精密さも速度も写実性なら
1台のカメラに
勝てる画家はいません。

「では、アートとは一体何か？」

20世紀の美術史は
その葛藤の歴史でした。

ニューヨーク近代美術館は
そうした20世紀の美術の
コレクションにおいては
世界一を誇っています。

そんな革新性の殿堂のなかでも
一際物議をかもした作品がありました。

3.  芸術をゲームオーバーにさせる芸術

それは絵画でも彫刻でもなく
なんと「パックマン」という
アーケードゲームでした。

業務用のゲームの「ソースコード」が
美術品として展示されているのです。

批判は凄まじいものでした。
「芸術の真の理解がゲームオーバーになる」

しかし、この企画に携わった
学芸員のパオラ・アントネッリは
こう断言しています。

「偉大なデザインを有するものなら
それで十分すぎるほどです」

ゲームは名画に負けないほど
独自の世界を持ち、しかも
極めて精密にその世界に導いてくれます。

その意味では紛れもない「アート」なのです。

4. 不安定なアート思考が現状を超える力をくれる

いかがでしたか？

富裕層はそこまで至るまでは
サイエンス思考で生きてきました。
資本主義の世界で「分析」「論理」「理性」の
積み重ねで富を築いてきたのです。

そこは徹底したHOW
（どのように効率よくやるか）の世界でした。

アートはそれを否定するものではありません。
しかし、その上でWHAT
（そもそもそれは何なのか）を
問うてくれるのです。

それまで持っていた固定観念を揺さぶり
不安定におとしこみ、その中で
とてつもないエネルギーと可能性を
見せてくれるのがアートです。

現在のデジタル社会は、サイエンス思考の極地です。
再現性と効率性は極限まで追求されています。
それを打ち破るエネルギーを与えるものとして
アートが求められているのです。

何歩も先をいく富裕層がアートに
賭けているのも頷けます。

もちろん展覧会や博物館に
行かれるのもよいでしょう。

でも大切なのが立ち止まってみることです。

「そもそもこれは何のか？」
「本当にこれだけなのか？」

そんな自分への問いかけができたとき
あなたもアーティストなのです。

本日もお読みいただき
ありがとうございました。

自分にWHATを問う方法として
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参考記事

参考文献（P.79、283～）