見出し画像

人は本当に「ゴミ人間」に優しくなれないのか?ここまですごい、ザイアンス効果(単純接触効果)の力

「見える部分は足だけ!
 全身黒い袋をかぶった生徒の学園顛末記」


伝統ある雑誌「ライフ」にのった
奇妙かつ心温まる実話です。

オレゴン大学のある教室に
1人の新参者がきます。

彼はなんと全身に
黒いコットンのゴミ袋をかぶっていました。
見えているのは座禅を組んだ素足だけ。
くつすらはいていません。

リアル「ゴミ人間」といっても
過言ではありません。

しかし、それから10週間、
信じられないドラマが起きます。

1. 謎の黒い袋男との間に生まれた友情

その教室は、
チャールズ・ゲッツィンガー教授の
「説得学」のクラスでした。

教授は、最初に彼をこう紹介しました。

「あの人は男子学生ですが、自分の正体を
 完全に隠したいと希望したので
 袋に入ったままの受講を許可しました」

彼はほぼ話しません。
3分半のスピーチ実習もいつも黙ったままです。

20名のクラスメイトは仕方なく
彼を「黒い袋男(ブラック・バック)君
と呼びました。

プレゼンテーション1

   ▲ 実際の写真 
LIFE (1967年3月17日) P.72、73より引用
 参照: https://bit.ly/3oiQBTo

最初のうちは、クラスメイトの対応は
冷たいものでした。無視をするもの
傘でつつくもの、なかには彼の背中に
「ぼくを蹴って」という紙を
貼り付けるものもいました。

しかし、日がたつにつれて
徐々にクラスメイトの対応が
優しくなっていきました。

仲間に入れたり、遊びに誘ったりして
授業中も彼をサポートするようになりました。

ある時、ゲッツィンガー教授は
クラス全員に向けてこんな投票を
提案しました。

ブラック・バック君は、そろそろ
袋を外して正体を明かすべきか?

驚くことにクラスの大半は
「反対」票を投じました。
ブラック・バック君の意志を尊重し
ありのままの彼を受け入れたのです。

ブラック・バック君の存在は
有名になり、野次馬やTV局の
取材も殺到しました。

クラスメイトは力を合わせて
彼を窓から隠したり、
移動の際の壁役をかってでました。

画像7

この大きな変化は、全米の心理学者を
悩ませました。

ブラック・バック君はほとんど言葉も発せず
ただ存在しているだけです。
結局、正体も明かされませんでした。

にも関わらず周囲はいつのまにか
彼に愛情を持ち、助けるようになったのです。

これほど雄弁な説得はありませんでした。

それから1年後、この現象を説明する
1つの論文が発表されました。

2. 直接会わなくても勝手に好感度を上がるザイアンスの法則

 それがロバート・ザイアンス博士による
「単純接触による態度的影響」です。

プレゼンテーション1

日本では、「ザイアンスの法則」として
知られていますね。

ザイアンスはこんな実験を行いました。

彼は、被験者を「写真の記憶の実験」
といって集めました。

そして、彼らと面識のない12人の
大学生の写真を1枚2秒ペースで
見せていきます。

もちろん本当の目的は
「接触回数と好意の関係」を
調べることです。

実は、すべての写真には
2枚単位で接触回数が
0~25回の間でいくつか
設定されていました。

その後、被験者に写真の人物への
好意度をききます。

さて結果はどうなったか?

はじめて写真を
見たときの好意度が
【約2.8】ポイントだった人物が
25回写真を見せられたあとは
【約3.6】ポイントに好意度が
あがっていたのです。

ただ同じ写真を見る回数を
増やしただけです。

実際には1度も会っては
いないことには変わりません。

それでも僕らの感情は
好意的になってしまうのです。

ただし、初見でどうしても
好きになれない人は
この限りでないことも
後年検証されています。

3. 好きは「繰り返し」でできている

ザイアンス博士はこんな
言葉を残しています。

プレゼンテーション1

人生はシンプルです。

好きなものに近づき
嫌いなもの(危険なもの)から
遠くことの繰り返しです。

どんな理屈も好き嫌いには勝てません。

そして、ザイアンスの法則によれば
この「好き嫌い」は単純によく会い
接触することで生み出せるのです。

もし、あなたが人脈がほしければ
憧れの人物のいつも目に留まる
場所にいつづけてください。

講演であれば、最前列で積極的に
受講されている方は、想像以上に
講師に強い印象が残ります。

たしかに時間がかかるかもしれません。
でも、もし挫けそうになったら
ぜひ今回の「黒い袋男くん」を
思い出してくださいね。

本日もお読みいただき
ありがとうございます。

オンライン時代の
「単純接触」の基本は
定期的な情報配信です。
ただし、情報過多なこの時代
手にとってもらうには
大きな工夫が必要です。
もし興味の有る方は
まずはあなたが伝えたいことから
見つけていきましょう。
こちらのオンラインセミナーがお役に立てますよ

LL説明会12月から1

詳細はこちら

ヴォルテックスLINEチャンネル、始動

はじめましての方も
すでに望月俊孝の
公式LINEやFB、メルマガに
ご登録いただいている方も必見!

毎日更新おすすめ記事
最新イベント情報
不定期Lineライブ配信!

ご登録は【10秒】で完了です
【登録後、プレゼントをお届け】

公式LINE

参考文献A(P.120,121)
参考文献B(P.58~61)
参考論文



















この記事が参加している募集

読書感想文

最近の学び

みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?