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なぜ社員は部品を隠し、責任を押し付けあったのか?アメリカ最大の自動車工場に人類学者が潜入して分かったこと

エリザベス・ブリオディという
著名な人類学者がいます。

人類学を学んだ大学院生は
通常海外にフィールドワークにいきます。
しかしお金がなかったブリオディは
それが困難でした。

そこでブリオディが向かったのは
アメリカ国内のコミュティでした。

スペイン語が堪能なブリオディは
南米にフィールドワークにいく代わりに
大学にある外国人清掃業者の職場に
溶け込み調査をしました。

そんなユニークな姿勢に
ある大企業が目をつけました。

1.人類学者が大企業の工場に潜入したら・・・

大企業の名前は、当時世界最大級の
自動車メーカーであった
GM(ゼネラルモーターズ)。

1980年当時のGMは日本企業に感化され
品質向上を目指していました。
しかし労働者の生産性は下がる一方でした。
労働組合との交渉も効果がありません。

ブリオディはミシガン州の工場に入り
組立ラインの労働者たちの
コミュニティに
溶け込んでいきました。

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ある日、資材担当者が
ロッカーを指差して
思わぬことを耳打ちしてきます。

2. 部品を隠し、責任を押し付け合う社員たち

「部品を抱えこんでいる人が多いよ」

なんと相当数の社員が組立の
部品をこっそり取り置いて
ロッカーや秘密の場所に
隠していたのです。

なぜ、こんなことをするのでしょうか?

当時のGMでは、品質向上の指針のもと
自分が担当する組立ラインでの部品切れは
大きな責任問題でした。

そのため責任を問われたくない社員は
あらかじめ沢山の部品を自分でストック
しておき、部品切れに対応していたのです。

そしてなんと1日の労働時間の4分の1を
この部品集めと補充に使っていたのです!

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さらなる問題は、「責任逃れ」体質からくる
社員同士のギクシャクでした。

ブリオディは社員同士の会話を書き起こすと
お互いの責任をなすりつけあう言葉は、
褒める言葉よりも約7倍多かったのです!

全く思いもよらないブリオディの報告に
経営陣は衝撃を受けます。

自分たちが見ていたものと
全く違うところに原因があったのです。

GMはそれから時間をかけて
社内改革に取り組みました。

その結果、生産性は
1986年から2007年の間に
【約54%】増えました。

さらに、業務上の怪我や
病気による欠勤は
1993年から2008年の間に
【約98%】も減少したとのことです。

3.誰もが人類学者になる必要がある

いかがでしたか?

人の心は単純ではありません。
表面からでは見えない部分が沢山あります。

そこで必要なのは、しっかり話を聞き
ありのままを観察していくことです。

ちょうど人類学者のように。

本日もお読みいただき
ありがとうございました。

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参考文献(P.153~159)




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