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【個人】の時代から【個性】の時代へ|コロナ禍のオンライン化

「私たちは、誰もが他のみんなと同じことで、
みんなよりも秀でることだけを目指している」

(心理学者トッド・ローズ 「個性学」提唱者)

「お一人さま」「パーソナルトレーニング」
「個別指導」社会はマスから「個人」
大切する流れになっています。
コロナ禍のオンライン化はそれに拍車を
かけています。

しかし、でも私たちが本当に望んていることは
「個人」を大切にすること以上に
「個性」を大切にしてもらうことです。

すなわち「ナンバー1」ではなく
「オンリー1」に強く惹かれます。

ただし、そこには1つの壁があります。
「平均」という考え方です。

平均点、平均年齢、平均所得、平均価格
私たちの人生はいつも基準となる
「平均値」がつきまとっています。

どんなものも「ありのまま」ではなく
「平均」との距離で価値を判断します。
最たる例が学力を測る「偏差値」でしょう。

では、そもそも「平均」とは
何なのでしょうか?

1.平均の歴史1 星を測る道具で、人を測る


個々の数値をすべて足し、個数で割る。

こうした「平均」の概念が最も
使われていたのは、天文学の世界でした。

観測者により星の移動速度の測定値が
ズレるので、真の値に近づけるため
「便宜上」用いられたものでした。

しかし、数学博士のアドルフ・ケトレー
(1796年~1874年)は
これを「リアル」な社会にも
適用させようとしました。

19世紀のヨーロッパは近代化に伴う
人口拡大であらゆる統計データが
散乱していました。

そこで役立つのが1つの参考値を
定める「平均」でした。

この提案はオランダを皮切りに
ヨーロッパ中で高い支持を得ました。
ケトレーは「近代統計学の父」と
呼ばれるようになりました。

とはいえ、ケトレーは
こんな奇妙な考え方もしていました。

プレゼンテーション1

なんと彼は、「平均」に近ければ近いほど
優れていて「理想的な」状態
だと説いたのです。

今の「平均的」とは真逆の意味ですよね。

2. 平均の歴史2 高偏差値の人=万能人間

次に登場するのが、
フランシス・ゴルドン
(1822年~1911年)です。

1851年、世界初の万国博覧会でわく
イギリスで上流階級の資産家だった
彼は、市民の台頭を
快く思っていませんでした。

そこで、彼は「平均」をこう解釈しました。

プレゼンテーション1

いわゆる「偏差値」の誕生です。
彼は、それをもとにイギリス人を
14のランクに分けました。

目的は1つ
「女王を頂点とする階級社会の再認識」でした。

そして、最上位のランク「有能者」の人物は
精神的・肉体的・道徳的な
すべての資質や特徴が
突出していると考えていました。

ゆえに彼はこんな言葉を残しています。

「裁判官や司教や政治家など、
イギリスの進歩の先端に立つ職業に就いた若者を
集めてスポーツのチームを作ったら、
その時代最強の集団が出来あがる」

「ありえない」意見ですよね。

とはいえ、学歴社会で高偏差値な人々を
社会のリーダー層にすえる私たちは
彼を笑うことはできるのでしょうか?

さて、20世紀に入ると、いよいよ
「平均主義」の真打ちが登場します。

3.平均の歴史3 真打ち「標準化」の登場

フレデリック・ウィンスロー・テイラー
(1856年~1915年)。
「科学的管理経営」の開発者であり、
世界初の経営組織コンサルタントです。

大卒後、法律の道を断念したテイラーは
友人のコネでポンプ会社に就職します。

立身出世の野心にあふれる彼は
瞬く間に主任技師に上り詰めると
「効率の悪さ」を徹底的に省くために
「平均」を徹底活用しました。

彼はそれまでの「職人の腕・技能」中心の
個人主義を廃し、平均を測定し、
科学的に手順・時間・精度を
管理しようとしました。

すなわち誰でも同じものが生産できる
【標準化思考】が生まれ、管理者である
【マネージャー】という概念が誕生しました。

彼の管理思考は、アメリカの国家計画にも
採用されました。第二次世界大戦前夜には、
ヒトラー、ムッソリーニ、スターリンといった
対立国側からも招聘をされました。

とはいえ、この組織管理重視の流れは
必然的に働く1人1人の個性を
無視することにもなります。

テイラーは組織に対して、
「平均的な凡人」である従業員の
自主性や発明を嫌っていました。

1906年の講演会では次のように述べています。

プレゼンテーション1

もとより「縁」を大切にする日本では
このテイラーの科学的管理主義は
徹底的に採用されました。

指導を受けた三菱・東芝などの大企業は、
組織自体を全面再編したほどです。

4.平均の歴史4 工場化した学校

こうした大人の仕事環境の変化は
子どもの教育現場にも
大きな影響を与えます。

アメリカでは「標準化された」
将来の仕事に備えるために
「平均化された」標準指導要領が
作成されました。

授業の開始・終了のベルも
将来の勤務環境(主に工場)に
そなえるための準備の1つでした。

こうした教育のテイラー主義は
全世界に波及していきました。

さらにより早く社会で活躍できる人材を
みつけ、教育資源を集中投下できる
「優等生」を探すための
偏差値による共通適正テストが開発されました。

5.「国語・算数・宝地図」のある世界に


いかがでしたか?

これまでの歩みにおいては
「平均」と「標準化」は
大きな役割を果たして
きたことも事実です。

仕事が「標準化」されたおかげで
安定して商品が供給され
多くの人が仕事を持てるようになりました。

教育が「標準化」されたおかげで
縁故がない家庭環境でも、
学問により道を開けるようになりました。

私たちはそうした土台の上で
平均的に割り出された「個人」ではなく
1人1人の「個性」を大切にした
新しいパラダイムを創る義務があります。

私たちヴォルテックスはいつも
こんなことを提唱してきました。

プレゼンテーション1

学校という確立された仕組みなかでも
授業の1つとして、1人1人が自分だけの
個性あふれた夢を自由に表現できる
「宝地図」の時間を設けることです。

19世紀の近代化のなかで「平均値」が
生まれたように、この21世紀の
コロナ禍のあとには必ず新しい指標が
生まれるはずです。

それが1人1人の個性を重視した
ものであることを願ってやみません。

本日もお読みいただき
ありがとうございます。

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参考文献(P.39 ~85)







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