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ビル・ゲイツ、スティーブ・ジョブス、アラン・ケイ、ITの巨人はみな読書の達人だった

「読書をしましょう」というと
必ずされる反論があります。

「ネットで十分でしょう」
たしかに検索すれば、あらゆる情報が
手に入る気がします。

でも、知ってほしい事実があります。

今の情報化社会を築いた巨人たちは
異常なまでの読書家だったのです!

1. マイクロソフト創設者 ビル・ゲイツ


「1時間で150ページを読み、
90%頭に定着させる。」


ゲイツに対する親友のバーニー・ノエの証言です。

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↑ 写真出典:shutterstock

常に10~15冊の本を鞄にいれているゲイツ。
まさに「人間情報処理装置」です。

この読書習慣は、子供の頃からのものでした。
人一倍競争心が強い半面、自分の部屋にこもり
鉛筆をかじりながら読書に没頭していました。

1990年代からは欠かさず、毎年1週間、
フッド・カナルにある別荘にこもり、
本や論文にひたりながら、自分の将来を
考えています。

ゲイツはこの時間を
「CPUタイム
(PC内部のプログラムの実行時間)」
にたとえて、物事を考える
重要な時間としています。

ゲイツの読書という作業を
次のようにとらえています。

プレゼンテーション1

そのため本の余白に集中的に
メモを書き込んでいきます。

また本を開く前に、その本が
自分の時間を費やす価値があるかどうかを
考えて、「価値あり!」と判断したら
必ず最後まで読み通します。

一度読書をはじめたら、最低1時間は
本から離れないそうです。

2. アップル創設者 スティーブ・ジョブス


「アップルがiPadのような製品を
生み出すことができるのは、
テクノロジーとリベラルアーツの
交差点にいることを
常に心がけてきたからだ」

生前のスティーブ・ジョブスの言葉です。

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↑ 写真出典:shutterstock

リベラル・アーツ(教養)の
視点があったことで
アップル製品はただ性能が良いだけでなく
直感的で楽しいものにできたと言います。

ジョブスの読書への傾倒は
高校生時代から始まりました。

特にハマったのが、
シェークスピアの「リア王」
ハーマン・メルヴィルの「白鯨」です。


前者は、年老いた王様が
王国を分割しようとして
最後は狂気に陥る物語です。

後者は、片足を失った船長が強い意思力で
化け物クジラに復讐する物語です。

後に自分の会社からの追放を経験し
見事にカムバックしたジョブスにとっては、
人生の予習になった2冊です。

やがてリード大学に進学したジョブスは
そこから精神世界に没頭します。

ついには大学を中退し、
インドへの放浪に出ます。

この間は、ラム・ダスの瞑想ガイド "Be Here Now "
インドのヨガ教祖パラマハンサ・ヨガナンダの著書
『あるヨギの自叙伝』
などを何度も読みます。

インドからの帰国後は
"Zen Mind, Beginner's Mind "
という本に影響され、
著者である僧侶鈴木俊龍氏が指導する
クラスに通うようにもなりました。

一時は、禅寺である永平寺に入り
出家も考えていましたが
師の助言により、思いとどまります。

「ITの先駆者」としては
あまりに異色の経歴です。

さらに、経営者として刺激を受けたのが
ハーバード・ビジネス・スクールの
伝説的な教授クレイ・クリステンセンの
「イノベーションのジレンマ」です。

ジョブスはこの本を通して
企業の成功体験が破滅につながる
ことを痛感したといいます。

技術もお客様のニーズも変わっているのに
過去の成功事例にこだわることが
ないように、ジョブスは常に
「自らを破壊する」ことを習慣に
していました。

「常に自分を問うて、
自分から離れていく。」

"Think different"(人と違うことを考える)
というアップル社の代名詞は
こうしたジョブスの思想遍歴から
生まれたのです。

3.「パーソナル・コンピューターの父」アラン・ケイ 

「形も大きさもノートと同じ
ポータブルな入れ物に収まる、
独立式の情報操作機械があるとしよう」

「この機械は人間の視覚、聴覚にまさる機能をもち、
何千ページもの参考資料、詩、手紙、レシピ
記録、絵、アニメーション、楽譜、音の波形、
動的なシュミュレーションなどをはじめ、
記憶させ、変更したいものをすべてを収め、
あとで取り出せる能力があるものと仮定する」

今の私達はこの記述は、
ノートPCやスマホ、iPadを
示しているものと考えるでしょう。

しかし、この文章が発表されたのは
1977年なのです。

論文を著したのは、
ゼロックス社パロ・アルト研究所に
いたアラン・ケイです。

誰もが一台PCをもつ時代を想像し
「パーソナル・コンピュータ」という
コンセプトを掲げ、それを実現するものを
「ダイナブック(ダイナミックな本)」
名付けました。

そんな彼は、幼少の頃から異常なほどの
読書家でした。2歳半ばで
文字が読めるようになり
小学校に通う頃には、年間400冊の本を
読んでいたといいます。

そんな彼は、あるSF小説に出会います。
ロバート・ハイラインの「深淵」です。

この中で、自動筆記と自動司書の機械の
おかげで書類の山に埋もれずにすむ
SF世界が描かれていました

そこで得た閃きは、研究員として
社会に出たのちも続いていきました。

1972年には、ダイナブックのアイディアを
詰め込んだ試作機「アルト」をチームで
作成します。

後に、研究所を見学におとずれた
スティーブ・ジョブスはこの「アルト」の
視覚性に驚愕をします。

その影響で、1979年に「リサ」という
独自のパーソナル・コンピュータを開発し
のちの「Mac(マッキントッシュ)」へと
つながっていきます

後年、アランは自分の革新的なメディア観の
源についてこう話しています。

「私のメディアに関する考え方は、
マクルーハンの『グーテンベルグの銀河系』という
難解な著作を、半年間、ほかに何もしないで
読み込んだときの経験がベースになっている」

信じられないほどの深い読書が
信じられないほどの広い思考を
もたらしたのです。

4. 未来を予測する最良の方法は、それを発明することだ

アラン・ケイはかって、
常に「次に何がおきるか」予測を求めたがる
実業家にこう返したことがあります。

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3人のITの大巨人に共通するのは
「未来を描く力」です。

そのベースには「圧倒的な読書」があります。
本が与えてくれるのは、知識や見解
だけではありません。

「自分で何かことをなす胆力」を
鍛えてくれるのです。

私達を囲むITメディアの源泉は
そうした読書家によって作られたのです。

何かを受け取るだけならば、
本はいらないかもしれません。

しかし、何かをなしとげるときは
本は大きな力をあなたに与えてくれます。

本日もお読みいただき
ありがとうございます。


参考記事
参考文献(P.36 、172、173、194、200、202)




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