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「今からやろうと思ったのに!」と言いたくなる心の仕組み 説得とは、相手に自由を提案すること

「さっさとやってよ!」
「いつになったらやるの?」
「どうしてやらないの!」
「どうなっても知らないよ!」

誰もが言われたことのあるセリフです。
あるいは、誰かに言ったことのあるセリフです。

相手からすれば見るに見かねての
親心からの催促です。

とはいえ、こう言われると反発したく
なるのが人情です。

「今からやろうと思ったのに!」
「うるさいな!分かっているよ」
「あなたに関係はないでしょ」

そんな反発心がわいてきます。

実はこれは科学的にも正しいのです。

1. 心理的リアクタンス


「人に何かをやれと言われると
たとえそれがやりたいことであっても
やる気がなくなること」

こうした現象を心理的リアクタンスといいます。

説得しようと強く訴えるほど
相手をそれを拒絶したくなる。

なんともやっかいなものです。

2. 強い言葉で説得すると、強い怒りで返ってくる

なぜこんな現象が起きるのでしょうか?
1つの興味深い実験があります。

2005年、ペンシルベニア州立大学の
ジェームス・プライス・ディラートらは
こんな研究を発表しました。

202名の参加者にデンタルフロスを使った
歯磨き習慣をすすめ、その提案メッセージの
内容により次の2群にわけました。

A群 脅しが強いメッセージ

「歯磨きは常識でしょ?」
「フロスしなければ歯周病になりやすいのは
科学的に分かりきっていること。
反論するのは愚か者だけです
「今日から一日も休まずにやりなさい。
それ以外の選択肢はありません。

B群 脅しが弱いメッセージ

「フロスを真剣に検討する価値が
あることは多くの人が認めています。」
「大多数の歯科医師は、その証拠は強力かつ
明確であると考えています。」
すでにフロスをしている方は、これからも
がんばってください、まだしていない方は、
今が始める最も良い機会かもしれません。

フロスは簡単です。試しに今日から1週間、
毎日フロスを使うことを目標にしてみては
いかがでしょうか?」

さて、両者のメッセージを見比べてみて
あなたはどんな印象を得ましたか?

結果は明白なものでした。

強い脅しを受けたA群の参加者は
弱めの脅しを受けたB群の参加者よりも
約23%自由が奪われたと感じ
約24%ネガティブにとらえて
そして約2倍の怒りを感じていました。

歯磨きのときにフロスをした方が
良いに決まっています。

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でも正論であっても伝え方1つで
こんなに反感をかってしまうのです。

こうした反感は直接表にでなくても
行動を遅らせたり、いい加減に行ったりと
無意識の態度で返ってきます。

3. 説得とは、相手に自由を提案すること


とはいえ、大人になれば、
嫌われても強く言わなければならない
場面はあります。

そんなときはどうすればいいのでしょうか?

心理的リアクタンスについては、提唱者
ジャック・ブレハムとシャロン・ブレハムは
次のような定義をしています。

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反発する相手は、別にあなたが
嫌いなわけではありません。

「やるべき理由」や
「やったほうがいい理由」も
十分に分かっています。

ただ1つ、何か自分の自由を
奪われる予感がしたからこそ
必死に抵抗しているだけなのです。

それだけ人は強く強く「自由」を
求めています。

ここに強い説得方法のヒントがあります。

「その行動を今することで、今の相手の自由が
どれほど増えるかを伝えるのです。」

私がいつも心がけているのは
必ず最後に「だからこそ今がやるのに
一番いい時ですよ」
と伝えることです。

その論拠を次々に伝えていくのが
本当の説得と思っています。

参考にしてください。

本日もお読みいただき
ありがとうございました。

カウンセリングの場においても
来談者への説得は危険ですらあります。
来談者自ら自分の中にある力と
可能性に気付いてもらうための
自由の提案の仕方があるとしたら
どんなものでしょうか?
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参考論文

https://www.researchgate.net/publication/233132688_On_the_Nature_of_Reactance_and_Its_Role_in_Persuasive_Health_Communication

参考文献(P.31~32)


















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