「いざというときに強い」
「問題解決がはやい」
「最悪のときに頼りになる」

そんな【火消し屋】や【トラブルシューター】が
周りにいたらいいですよね。

でも、私はそれ以上にいてほしい人がいます。
迅速な問題解決以上に大切なこととは何でしょうか？

1.  痛ましい子どもの虐待を本当に減らすには？

「子どもを助けるいちばんの方法は、
　母親に手をさしのべることだ」

看護師家庭訪問プログラム（NFP）を
設立したディビッド・オールズの言葉です。　

オールズは児童施設で働いていたときに
痛ましい児童虐待の根本原因は、
親の知識自体が足りないことだと
気づきました。

そこで、妊娠中から子どもが
２歳になるまでの間
同じ看護師が定期家庭訪問をして、
お母さんに育児アドバイスをするという
試みを行いました。

授乳の仕方、おくるみの巻き方、
ぐずったときの対処法、
眠らないときの対処法などを
丁寧にお伝えするのです。

加えて大切なのは悩めるお母様の心のケアです。

「子どもの面倒を見るためには、
　まず自分の面倒を見なくてはならない。」

育児と仕事の重圧に悩むお母様を
サポートしたのです。

2.  問題予防はいつでもできる

この試みはアメリカの三州で行われました。

結果は驚くべきものでした。

幼児虐待とネグレクトの発生率
母親の犯罪率
フートスタンプ（食費補助）の
受給率などがみるみると
減少していったのです。

研究機関は次のように検証しています。

何か問題が起きてから対処するのではなく
問題の根本にそもそもアプローチすることで
これだけのムダが省かれるのです。

もちろんコストは恩恵の一部にすぎません。

そもそも問題を起こさないように
予防対処することは
その後に生じる多くの苦しみの連鎖を
止めることができるのです。

あなたに起きた問題は
どのように「予防」ができたでしょうか？

「解決」は問題が起きないとできません。
でも「予防」はいつでも取り組めます。

「予防」に使う時間を増やしましょう。

本日もお読みいただき
ありがとうございました。

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参考文献（P.291～293）