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やる気スイッチか?中毒の源か?私達の意思に影響するドーパミンとの付き合い方を変える5つのポイント


世の中には、3種類の人がいます。

「やりたくても、
 やる気がわかない人」(怠惰)
「やる気がないときでも、
 いつのまにかやっている人」(習慣)
「やりたくないのに、
 やめられない人」(中毒)

あなたはどれになりたいですか?
このすべての鍵は、脳の神経伝達物質
ドーパミンが握っています。

かっては、やる気物質として重用された
ドーパミンも、現在はデトックスも提唱
され
(キャメロン・セパー博士)
バランスの見直しが求められています。

ドーパミンとの付き合い方を
みていきましょう。

1. 脳はいつも「報酬」を計算している

人間はそもそも矛盾した生き物です。

とても活動的であり、
とても保守的でもあります。

どんなに外の温度に高低差があっても
発熱や発汗で平熱を保つのが一例です。
(これを「ホメオスタシス」と言います)

だからこそ今の状態を捨てて
新しい状態にうつるには
それなりのご褒美が必要です。

このご褒美を「報酬」といい
「報酬」目当てに状態を変えることを
「行動」と言います。

人間の一生は、「報酬」を求めた
状態の変化といえるでしょう。

そのため脳は常にこんな風に
算盤を弾いています。

ドーパミンの脳内経路

そんな計算好きな脳を一目散に
動かすのが、「ドーパミン」です。

2. 人間の意思は、ドーパミンの影響を避けられない

ドーパミンを放出する
ドーパミンニューロンは
中脳の腹側被蓋野・黒質緻密部
と呼ばれる狭い領域にあります。

ドーパミンの脳内経路

このうち黒質からの
ドーパミン神経細胞は
大脳基底核と呼ばれる神経回路に
多く出力されます。

そこでは、意思決定を司る尾状核や
運動を掌る被殻
もこのドーパミン細胞の
影響を受けます。

他方、腹側被蓋野(VTA)からの
ドーパミン神経細胞は、情動や感情を司る
大脳皮質下の側坐核
に影響を与えます。

このようにドーパミンは人間の
根幹の意思に大きな影響を及ぼします。

3. 現在社会は脳のドーパミンの方向を奪い合っている

では、このドーパミン神経細胞は
どんな場面で活性化するのでしょうか?

一般的には、食べ物や性や薬物といった
快楽行為に反応するとされています。

しかし、近年の研究では次の状態に
最も反応することが分かっています。

ドーパミンの脳内経路

各種メディア(TV、動画、SNS、広告)は
この点を熟知しています。

「この後、衝撃の展開が!」
「この後、信じられない事態が!」

この一行の短文が出されただけで
私達はその先を知るまで
いやでもその対象のことが
頭を離れません。

現在社会は、脳内のドーパミン反応の
方向性を奪い合う社会でもあるのです。

4. 「したくなくてもしてしまう」ドーパミンの学習効果

ドーパミンの威力は、まだあります。

なんと、ドーパミン神経細胞の活動が
強まったときに選択された行動は、
その後も好んで選ぶようになるのです。

すばわち、脳の学習化です。
こうなると止まりません。

報酬自体がなくても
その報酬を考え期待しただけで
ドーパミン神経細胞が活性化
してしまうのです。

やがてこんな状態になります。

「やりたくないのに、やっていた」
「気づいたら、またしていた」

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習慣作りとしては最高でしょう。
しかし多くの場合は、「中毒」になります。

「心身に痛みを覚えても、やめられない。」
「仕事・学校・家庭・友人を犠牲にしてしまう。」

これは身近にも起こりうることです。

5. 人を動かす5つのトリガー(きっかけ)

もちろん、ドーパミンは生きる活力して
欠かせない神経伝達物資です。

私達に必要なのは、行き過ぎを
止めることです。

では、どうすればそれができるでしょうか?

ポイントは、報酬と結びつく
トリガー(きっかけ)を避けること
です。

こんな話を聞いたことがあるでしょう。

「赤ちょうちんを見ると
 お酒が飲みたくなる」
「あの照明を見ると、
 パチンコ店に入ってしまう」
「つい寝る前に、
 冷蔵庫を開けてしまう」

習慣研究のスペシャリスト、
チャールズ・デュヒックは
こうしたきっかけを
次の5つにまとめています。

定期報告会第11回_200515

あなたの「やめたいけど、やめられない」行為を
思い出してみてください。
どのトリガーが考えられますか?

そのトリガーを避けることで
自然にドーパミンの生成は抑えられ
中毒行動はおこらなくなります。

もちろん逆に習慣作りにも活用できます。
まず、トリガーから決めるのです。

電車に乗ったら、すぐ本を開こう」
時間が空いたら、いつも手帳をみよう」
人に会ったら、まず笑顔になろう」

ぜひ、ドーパミンとの付き合い方に
活用してみてください。

本日もお読みいただき
ありがとうございます。

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参考文献(p.392)


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