見出し画像

読書は理性と感性の冒険旅行 本を読む人が脳の中でしている2つのこと

読書の秋ですね。
紅葉の時期もあり、外に行くか
本を読むか休日に迷う方も
いるかもしれません。

「読書」といえば、インドアの
代表のようなイメージです。

でも、脳からみると「読書」は
冒険旅行と同じなのです。

1.「文字を読む脳」の3つの役割


理論神経学を教育工学に反映させた
優れた研究者デイビッド・ローズは
「文字を読む脳」の役割を3つに
まとめました。

役割1)パターン認識
役割2)ストラテジー(戦略)の計画
役割3)感じること

計画を立て、実際に
観察・検証した上で
現場からくる
インスピレーションを味わう

画像1

ある意味、巧みな読書は
フィールドでの「冒険旅行」に
似ているのです。

2. 読書とても戦略的かつ行動的

2004年 カーネギ-メロン大学の
認知神経科学者マーセル・ジャストの
研究グループは、
こんな画期的な発見をしました。

人は流れのある文章を読む時
脳の中で、文中の連続する出来事の
つながりを整理しています。

その時、脳内では何が起こっているか?

13名の参加者に、
40個の文を読んでもらいます。
扱う文は、因果関係のつながりに応じて
3つのレベルに分かれています。

そこで分かったのは、次の流れです。

プレゼンテーション1

まずは、脳の両側の
DLPFC(背外側前頭前野)が
活性化していました。

DLPFCは、人間の「知能」の象徴です。
目標設定、行動計画、実行、作業記憶、
モニター、修正という何かをなす時の
すべての判断を司っています。

人は文字を読み解く読書時に
まずDLPFCを活性化させ、
内容を一貫して掴むために
推論をし、仮説をたてます。

次に活性化していのが、
右半球の言語野です。

ここでは、作り上げた仮説を
自分の中の文章の内部表現に
積極的に統合していきます。

この2ステップを瞬時に行うのが
「読書脳」なのです。

画像3

読書はただ書かれた文字を吸収する
わけではありません。

文字からつかんだ
情報のつながりから仮説を作り、
それを今の自分の中にある知識と
組み合わせていく。

そこには役割1「パターン認識」と
役割2「ストラテジー(戦略)の計画」という
とてもアクティブな動きがあるのです。

3. 読書は感情的でないといけない理由


でも、忘れていけないのは
役割3「感じること」です。

流暢に読解する読み手の脳画像には
大脳辺縁系とその認知システムに接続する
経路の活動が活発化しているのが
見て取れます。

読書とは単に冷静な
仮説検証だけではありません。

文字から浮かんだ情景に
喜び・嫌悪・恐怖・高揚感
などの感情をめまぐるしく
感じているのです。

一見すると、前述の仮説検証の
邪魔になりそうな感じがしますが、
逆です。

こうした感情があるからこそ、
人は読んだものすべてに
優先順位を付けることができ、
何が自分にとって価値があるかが
見えてくるのです。

画像4

4. 読書は理性と感性の冒険旅行


いかがでしたか?

本を読むあなたの脳では
このように理性と感性を
フル回転させた冒険が
繰り広げられているのです。

本は最も手軽で安価なスペクタルです。

どんな本でも構いません。
天気の悪い休日はぜひ本で冒険に
出てみましょう。

本日もお読みいただき
ありがとうございました。

このように読書は、
脳の感性と理性を駆使した
ある意味システム的なものです。
「速読」は相変わらず人気ですが、
ただ大量の文字情報を
頭に流し込むことは
ナンセンスであると分かることです。
では、本当に正しい「速読」とは
何でしょうか?興味のある方は
こちらのオンラインセミナーに
お越しください。
▽詳細は下のバナーをクリック

4Cバナー

ヴォルテックスLINEチャンネル、始動

はじめての方も
すでに望月俊孝の
公式LINEやFB、メルマガに
ご登録いただいている方も必見!

毎日更新おすすめ記事
最新イベント情報
不定期Lineライブ配信!

ご登録は【10秒】で完了です
【登録後、プレゼントをお届け】

公式LINE

参考論文
参考文献(P.214~215、242)


この記事が参加している募集

学問への愛を語ろう

みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?