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フルカラーで詳細な図解よりも、白黒の単調な図解の方が応用力がついた!教材はシンプルに。

YouTubeをはじめ動画学習は
最盛期を迎えています。
また本であっても「図解本」や
「まんがで解説本」が大流行です。

分かりやすいのは良いことです。

しかし、学習においては、
「学んだことを応用して
一般化していく」【転移】
という段階があります。

そして、実はカラフルで詳細な
分かりやすい図解ほど、
この「転移」にむかないのです。

1.白黒の単調な図か?フルカラーの詳細な図か?

2020年、ウィスコンシン大学
デビッド・メネンデスらの
研究チームはユニークな研究を
発表しました。

生き物の中には、幼体と成体で
全く姿が異なるものがいます。

チョウチョなんてそうですよね。
これを「変態(メタモルフォーゼ)」といいます。

自身がメタモルフォーゼしない人間は
本能的に「する」タイプの生き物に
理解が遅れるとされています。

研究チームは、133名の参加者に対して
5つの生き物を見せて、どれが変態現象を
するか(幼体と大人で似ているか否か)を
たずねました。

この後、てんとう虫の成長サイクルを
図解した動画を見てもらいます。


可愛らしいてんとう虫も実は、
幼体時は全く違う姿をしています。

画像1

ただし、図解は2種類あり、
参加者は2群にわかれて視聴します。

A群)白黒の単調な図
B群)フルカラーの詳細な図


最後に、今度は10個の生き物について
最初と同じ問いかけをします。

「てんとう虫」の成長サイクルでみた
イメージを他の生き物にも類推して
判別できるかをみているのです。

このテストは2つの間違いを
避けなければいけません。

1)変態現象をおこさない生き物を
「おこす」と答えてしまう。
2)変態現象をおこす生き物を
「おこさない」と答えてしまう。

さて、結果は図によりどのような
変化があったのでしょうか?

2.教材は常にシンプルに。実は本が一番かもしれない

結果は、意外なことに
A群)白黒の単調な図をみた方が
変態現象のイメージがよく伝わっており
的確な回答をしていました。

普通は逆のイメージですよね。
なぜこんな現象が起きるのでしょうか?

研究チームは次のように
考察しています。

プレゼンテーション1

デジタル分野の教育心理学に詳しい
ギュンター・ダニエル・レイ教授は
こう語ります。

プレゼンテーション1

つまり、脳にとっては私達が
良かれと思ってしている図解の
色彩の豊かさや細かさは
ある意味「余分な情報」として
捉えられている
のです。

これで学習が進まないのならば
本末転倒ですよね。

これが「動画」であれば、
ますます「余分な情報」は増すはずです。

今後本格的にVR(仮想現実)が
教育に活用されるでしょう。
しかし、一方で応用力をつけるという
観点からはシンプルで単調な教材
(たとえば本)が再注目されていく
はずです。

本日もお読みいただき
ありがとうございました。

ビル・ゲイツをはじめ
ITの巨人に読書家が多いことは
興味深いものです。多くの人が
動画の走る中で、もし次の時代を
みすえたい方は今から本をより
よく読む方法を身につけておきましょう。
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