「自分が本当に大切したい価値観と
向き合うと、自己肯定感が生まれ、
自己弁護的な態度が減り、他人の助言を
受け入れやすくなる」

以前にもお伝えした興味深いテーマです。

今回はさらに踏み込んで、
「自己肯定感」の正体に迫ってみましょう。

1.  人は重要な価値観を見つめ直すと素直になる

2008年、オハイオ大学の
ジェニファー・クロッカーらの
研究チームは、興味深い研究を発表しました。

25名の喫煙者を2群に分け
次の課題をやってもらいます。

A群

指定された6つの価値観を
重要と思う順にならべ、
1位に選んだものとその理由を書く。

B群

A群とは逆に最下位のものについて
それが他の人にとっては重要な
理由を想像して書く。

その後、参加者はタバコが
腹部大動脈瘤になりやすいことを
説明した論文を読んでもらい、
内容がどの程度受け入れられるかを
9段階で評価してもらいました。

「タバコは病気の元！」
愛煙家にとっては耳の痛い話です。
普通、こう注意されたら
「本当にそう？」「自分は違う！」と
否定したくなるものです。

面白いことに過去の研究では、
自分にとって重要な価値観を
見つめた人は、そうでない人より
こうした自己弁護的な態度が
減るとされてきました。

さて、今回の結果は？

2.　自分を肯定すると、自分を超えることができる

結論からいえば、今回も同じでした。

A群の自分にとって
重要な価値観を見直した
参加者（M＝6.80）は、そうでないB群
（M＝5.45）よりも20％多く、耳の痛い論文の
内容を受け止めようと考えていました。

その上で面白い発見がありました。

自分にとって重要な価値観に向き合った
参加者たちは、その瞬間、際立って
次の感情が湧いていました。

自己肯定感といえば、普通「誇らしさ」など
自分に向けた感情がわきそうです。

しかし実際は、それ以上に、他者に向けた
「愛・つながり」の感情を強く感じていたのです。

研究チームは次のように述べています。

自分に向き合い大切にすることで
人は「素直」になり、外の世界を
受け入れられるようになるのです。

これは山登りにもたとえられます。
ひたすら山道に向き合い頂上まで
たどり着いた瞬間、周囲の世界が
一望できる。

自分を愛すると、
自分を超えられるのですね。

本日もお読みいただき
ありがとうございました。

「自分と向き合うこと」
「自分を大切にすること」は
私たち全員の課題といえます。
なかなか言葉で難しい場合は、
身体を労ることから始めましょう。

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