「今年こそダイエットをしよう。」
年始よりジムやスポーツを習う方も多いでしょう。

さて、質問です。
「その施設に【鏡】はありますか？」
ほとんどYESでしょう。
正しいフォームの改善には
自己認識は欠かせません。

でも、初心者にとっては
そこに思わぬ落とし穴が
あるようです。

1.熟練者ほど分からなくなる運動初心者の心理

2003年、カナダのマックマスター大学の
マーティン・ギネスらの研究チームは
ユニークな研究をしました。

普段、座り仕事をしている女性58名に
20分ほど自転車漕ぎのトレーニングを
してもらいます。

週に15分も運動しない
彼女らにとっては
結構なハードルです。

ここで鏡の登場です。

被験者を鏡の前で
運動してもらうグループと
そうでないグループに分け、
運動後の感情変化を観察します。
（そのためあえて運動前に）
（自分の身体に対する印象を）
（アンケートしておきます）

結果は興味深いものでした。

久しぶりの運動もあって
自己効力感（やりとげた感）は
両グループとも上昇していました。

しかし、【積極的な関与】度合いについては
鏡なしグループが上昇したのに対し
鏡ありグループは減少していたのです！

また気分の活性化の度合いも
鏡ありグループの方が半分でした。

すなわち鏡で自分を見ることによって
「もっとがんばろう、もっとよくなろう」
という気分が下がってしまったのです。

慣れないことをする自分を
見続けることは痛みを伴います。
いくら良いことをしていても
気持ちは上がりません。

とはいえ、こうした現象は
運動に慣れるにつれて消えていきます。
それは関心が自分の身体よりも
「自分の技術」や「他者の優れた動き」に
向いていくからです。
そうなればありのままの自分を
リアルタイムでうつす【鏡】は
とても有益です。

難しいことにこの点で
運動に精通した指導者と
初心者で気持ちのギャップが
生まれるのです。

この現象は、運動に限らず
あらゆる能力開発に共通します。

厳しい自己管理
客観的な数値による自己認識
リアルタイムのフィードバック練習

どれも成果を出すには有益です。
しかし、自分の現状を常に直視することは
初心者にとっては抵抗にすぎず
挫折につながります。

では、どうすればいいのでしょうか？

2. まずは自分に毎日参加賞をあげよう

この点、2008年、シカゴ大学の
アイレット・フィッシュバッハらの
研究チームは興味深い報告をしています。

初心者はもちろん後者です。

そのため至らなさをいやでも感じる
【鏡】の存在やフィードバック方法を
いったんやめて、「できていること」に
注目し承認するのです。

はじめてのトレーニングでも
「参加したこと」「はじめたこと」は
大いに承認するべき達成です。

そしてこれは外部の協力を待たずに
あなた自身でもすることができます。

すなわち・・・

たとえ目標のページまで
勉強ができなくても
「机にむかえた」ことを承認する。

たとえプレゼンや会議で
期待した成果がでなくても
「その日をむかえられた」ことを承認する。

たとえジムにいけなくても
「ジムにいこうと気をむけた」ことを承認する。

参加賞のつぎは、皆勤賞です。

時間をやりくりし、とにかく
休まず続けること。

すると必ず成果がみえはじめ
楽しくなっていきます。

やがて、敢闘賞や技能賞が狙え
ついには望むゴールに達する
優勝に至ることができます。

さて、あなたは今日はどんな参加賞を
ご自身にあげますか？

このような考え方を
マイルストーン思考といいます。
夢も目標も抱いてからが本番です。
年末年始抱いた目標を叶えたい方は
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