見出し画像

「分かりやすく」「気持ちよく」「摩擦の少ない」情報以外も見えるようになるのが、大人の勉強

DDTという有機塩素系の農薬があります。
日本では使われる場面は、ほとんどありませんが
今でも世界では現役の殺虫剤です。

しかし、DDTは1970年代にはアメリカを
皮切りに世界中で禁止されたことがあります。

きっかけは1冊の本の影響でした。

現在の環境保護の先駆けとして知られる
レイチェル・カーソンの「沈黙の春」です。

「かって、米国の奥深くに、ひとつの町があった。
そこでは、あらゆる生物が
周囲と調和しながら生きていた。」

美しい詩的な文でつづられた
殺虫剤で失われる鳥や虫の惨状は
多くの人に衝撃を与え、DDTの禁止運動への
気運を上げていきました。

一方で、専門家たちはエビデンスに基づき
反対の立場を主張しました。

「DDTにより鳥や魚が死ぬことはなく
人間の慢性疾患の原因になるという
証拠はない。」

化学・毒性学・農学・
環境衛生学の専門家100人が
作った詳細な報告書は、実に
9,312ページにも及びました。

しかし、当時の世界には
無視をされてしまいました。

悲劇はその後に起きました。
5,000万人以上がマラリアで命を落とし
そのほとんどは5歳未満の子供でした。

そのため2006年、WHO(世界保健機関)は
DDTの方針を改め、緩和をすることにしました。

「ER」や「ジュラシック・パーク」を手掛けた
科学小説の大御所マイケル・クライトンは
次のように語っています。

「DDTの禁止は、20世紀の米国において
最も恥ずべき出来事だった。」

人は分かりやすく・気持ちよく・摩擦が少なそうな方
選びがちです。その感覚は、事実すら飛び越えていきます。

分かりやすいものが正しいとは限りません。
一言で言いきれるものが真実とは限りません。
心に訴える方が選ぶべき道とは限りません。

そこで大切なのは、他の人の話を聞く技術です。
自分が見える世界には限界があり、
自分の判断には制限があることを知るのが
大人の勉強法の第1歩です。

本日もお読みいただき
ありがとうございました。

本を丸呑みにすることなく
自分の現状にあわせて読む速読法と
多様な見方が手に入る読書会の方法が
分かるオンラインセミナーはこちらです。
▽詳細は下のバナーをクリック

4Cバナー

ヴォルテックスLINEチャンネル、始動

はじめましての方も
すでに望月俊孝の
公式LINEやFB、メルマガに
ご登録いただいている方も必見!

毎日更新おすすめ記事
最新イベント情報
不定期Lineライブ配信!

ご登録は【10秒】で完了です
【登録後、プレゼントをお届け】

公式LINE

参考文献(p.213~218)


みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?