「未来の出来事の予言能力」
古今東西、あらゆる人々が憧れることです。

2012年、アメリカの名門コロンビア大学が
次のような論文を発表しました。

「未来の感じ方　
　感情のオラクル（お告げ）効果」

そこではなんと、
自分の感情を信頼する人ほど
将来の出来事を予測しやすい
と報告されています。

とてもワクワクしますよね。
今回はその全貌にせまります。

1. 科学で証明された感情のお告げの力！

実験を行ったのは、
同大学のビジネススクールで
マーケティングを教える
マイケル・トゥアンファムらの
研究チームです。

被験者は1,250名にのぼり、
テーマも多様でした。

【実験1】6ヶ月後の米国民主党大統領選の結果
【実験2】来週公開の3つの映画の興行収入順位
【実験3】明日発表の人気オーディション番組の結果
【実験4】1週間後のダウ平均工業株価
【実験5】2～4日後のスーパーボウルの全米選手権の結果
【実験6・7】2日後の地元の天気予想
【実験8】2日後と2週間後の地元の天気予想
　　　　2日後の北京とメルボルンの天気予想

いずれの実験も被験者を
自分の感情を高く信頼している人と
そうでない人にわけて調査しました。

結果は次のとおりでした。

▲下記の参照論文より投稿者翻訳・加工

黄色文字を見れば一目瞭然。
自分の感情を高く信頼している人ほど
将来の多様な出来事の予測精度が
高かったのです。

全体を通してみると
感情信頼度が高い場合の予測精度は【53.2%】
感情信頼度が低い場合の予測精度は【31.9%】

どうやら「感情のオラクル（予言）効果」は
実在するといえます。

ただし、とても大事な点があります。
予測の期間と地域に幅を持たせた
最後の実験8の結果をごらんください。

▲下記の参照論文より投稿者翻訳・加工

一番左の2日後の【地元】の天気をご覧ください。

感情信頼度が高い場合の予測精度は【53.9%】
感情信頼度が低い場合の予測精度は【21.4%】

感情のオラクル効果が最も顕著に見られます。

しかし、それ以外をご覧ください。
期間が2週間に延びると差は減り
地域が自分の知らない外国になると
逆転現象すら起きています。

すなわち、そもそも現在のご自身の
知識や認知が及ばない事象については
この効果はみられないようです。

少し残念ですよね。

2.　感情の窓から1歩先の未来が見える

感情のオラクル効果については
次のような仮説が立てられています。

私たちの意識は、常に周囲の世界の情報や
過去の体験の情報を蓄積しています。
こうした未整理の情報はいわば暗黙知であり
普段はカンタンに見ることはできません。

ここで役立つのが「感情」です。
感情はあなたの生存のために
窓の役割を果たし、反応すべき瞬間に
この暗黙知の世界を垣間みせてくれます。
（特権的窓理論）

それは一時的なものであり
その範囲も結局あなたがこれまで
経験し蓄積してきた情報を超える
ことはありません。

とはいえ、自分の人生にとっては
これほど便利なものはありません。

自分の感情を信じることで
確実に一歩先の未来が見えるのですから。

感情を感じる時間を大切にしましょう。
その時間が、未来のあなたに出会える
時間なのです。

本日もお読みいただき
ありがとうございました。

未来への入り口は、現在の感情にあります。
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