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ネガティブな思い出ほど鮮明によみがってしまう脳の仕組みと克服する方法

すべての人は過去の影響の下にいます。

とくにネガティブな思い出ほど
鮮明に頭に残り、長く人生に陰を落とします。

いくら良い話やアドバイスを受けても
こうした陰は常に足を引っ張ってきます。

でも安心してください。

脳の仕組みからみると、ネガティブで鮮明な
記憶にはある「弱点」があるのです。

1. 380題の記憶力テスト

2007年、ボストン・カレッジの
エリザベス・ケンジンガーらの
研究チームは意義ある研究を
発表しました。

Step 1

まず、20名の参加者に
fMRI(機能的磁気共鳴画像装置)に
入ってもらい、次の課題をします。

304個の物体の写真が1秒ずつ投影され
次の2種類のお題が順番に1つずつ出されます。

「この物体は生き物ですか?」
「この物体は引き出しに入りますか?」

画像1

物体の半分は、ネガティブな印象を
受けるものの写真(例 虫や兵器)であり、
もう半分はニュートラルなものでした。

実験2 

30分の休憩後、記憶力テストをします。

1)実験1で表示した物体と
2)それによく似た物体(色違いなど)と
3)全く表示していない物体を
混ぜたサンプルをみせます。

参加者は、「さっき見たものと同じ」
「さっき見たものと似ている」
「さっき見ていない新しいもの」かを
キー操作で応えます。

問題サンプルは380題。
かなりハードな実験です。
結果は面白いものでした。

2.一度みたネガティブな映像が忘れにくい仕組み

結果として、参加者は予想以上に
実験1で見たものを憶えており
きちんと「同じ」のキーを押していました。

さらに興味深いことに
その中でも、ネガティブな物体の方
(51%)が、ニュートラルな物体
(49%)よりも認識率が高かったのです。

なお、その他の「似ている」や
「新しい」と答えたものについては
こうした傾向はありませんでした。

さらに、脳の活動をみると
面白いことがわかりました。

ネガティブな視覚情報をより強く
思い出している参加者の脳内では、
扁桃体を始め、海馬の豆状回や
眼窩前頭皮質、線条体、前帯状回などの
情動を司る神経ネットワークが
活性化していました。

画像2

このように、人間の脳は以前目撃した
ネガティブな視覚情報を再度キャッチすると
かなりのフル回転をするようです。

命を守るためには、一度出会った脅威は
忘れないというのが人間の特性です。

3. 脳に刻まれた1シーンを立体的にみてみよう

しかし、もう1点、
興味深いことがありました。

研究チームはさらに、参加者が
「同じ」もの・「似た」ものと
応えた場合は、それについて実験1では
2種類の質問(「生物か否か」or
「引き出しに入るか否か」)の
どちらがされたか
を確認しました。

この課題の正答率は
ネガティブな写真も
ニュートラルな写真も
ほとんど変化はありませんでした。

どうやら、私たちは
ネガティブな視覚映像自体は
細かく脳に刻むものの、
そこから派生する事象は
それほど認識していないようです。

いかがでしたか?

ただの実験用の写真ですら、
私たちは好ましくない
ネガティブなものは脳に
刻み込んでしまいます。

ましてや、生身で体験・
目撃したものならば
頭から離れないのも無理はありません。

ただ、それは本稿でみたように
刻まれるのは、あくまで静止画のような
1シーンが主で、そこから
派生した事象には影響は少ないようです。

だからこそ、刻まれた記憶の
「再検証」「再評価」する余地があります。

もし、あなたが心の中に今でも鮮明に
よみがえる1シーンがある場合は、
次のような問いかけをしてみましょう。

「あの事は具体的にどんな影響があったのか?」
「本当に悪い影響だけだったのか?」
「他者の視点からみると、どのように見えるか?」
「成長した今の自分から見ると、どう見えるか?」

画像3

いわば、静止画で刻まれた記憶を
立体や動画にして、見直してみるのです。

すると、過去のつらさが大きくやわらぎ
活力がわいてくるでしょう。

本日もお読みいただき
ありがとうございました。

こうした記憶の立体化作業は
ご自身できるのが一番です。
しかし、最初は向き合うことすら
難しいこともあります。
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