「子どもの頃の夢が叶った！」と聞くと
稀有な例に思えるかもしれません。

では、「子どもの頃見たものの
影響を知らずに受けている」というのは
めずらしいことでしょうか？

実は私たちは、予想以上に
子どものときに見たものに
影響を受けています。

1.　アメリカの特許が7倍になる40年前に7倍になっていたもの

1962年、デシャルムとモラーは
とても興味深い調査結果を発表しました。

1810年～1850年の間に
アメリカでは創造的で目標を達成する
子供向けの物語が急増しました。
前期に比べれば、66％増加です。

その後面白い現象が起きます。

次の1850年～1890年の間に
商業における特許査定率がなんと
7倍に広まっていたのです。

クリエイティブな物語に影響された
子どもたちが、大人になって
そのインスピレーションを形にしたのです。

「偶然じゃない？」
「出来すぎている！」
そう思う方もいるかもしれません。

しかし、その後もこうした現象が
世界中で確認されたのです。

2. 失業率は、学校の頃の教科書のイメージが影響していた

2009年、フリードリヒ・シラー大学の
ステファン・エンゲザーらの
研究チームは、こんな面白い研究を
発表しました。

ドイツでは州による格差が
大きな問題となっています。

北部のブレーメン州の失業率は、
南部のバーデン・ヴュルテンベルク州より
約61％も高くなっています。

研究チームは、
その根本的な原因を
面白いところに求めました。

それが「学校の教科書」です。

教科書の内容というよりは、
そこで描かれている「達成」に
関するイメージです。

□優れた基準を達成に関心をもとう
□成功することは素晴らしいことだ
□ユニークな方法を考えよう
□健全な競争は歓迎することだ

何か卓越した基準に到達することに
強く関心をもってもらうような記述が
どれくらい書いてあるのか。

研究チームは、
合計195種類の教科書を
精密に分析しました。

結果は次のとおりでした。

そうです！

あきらかに好況な
バーデン・ヴュルテンベルク州の方が
教科書に多くの動機イメージが
掲載されていたのです。

3.　成功のイメージを与えてくれる環境にいる人が、成功する

いかがでしたか？
「想像もしなかった成功」という
言葉があります。成功者はそう言います。

逆に言えば、
「想像できた時に、成功できた」ともいえます。

そのために必要なのは
成功のイメージを与えてくれる環境です。
その中にいたことがありさえすれば、
時間はかかっても、そのイメージを
形にすることができるのです。

あなたの環境は、適切な成功イメージを
与えてくれていますか？
私たち大人は、自分で学校も教科書も
選ぶことができますよ。いつからでも。

本日もお読みいただき
ありがとうございます。

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参考文献（P273)

参考論文